【キャンギャル球 診察 最終話 】





 「はい、おつかれさま。治療は終わりましたよ。もう大丈夫ですよ。」

 いったい、何の病気だったんだろう。球は当然尋ねた。

「先生、私、一体、どんな病気だったのですか?」

「はい、ヘルペスです。まだ初期だったので、洗浄と治療を行ないました。もう少し放っておくと、熱が出て激しい痛みに襲われるところでした。アシクロピルという抗ウィルス剤と、消炎鎮痛剤のキシロカインゼリーを使用しました。あとは当分の間、ゲンタシン軟膏を塗ってください。あと2〜3回、来ていただければ完治すると思いますよ。」

 車井原の堂々とした真っ当な回答に、球は肯くより他はなかった。

「ヘルペス…ですか?ああ、そうなんですか…。あと、2〜3回通わなくちゃいけないんですね。」

「はい、そうです。」

「それと、あのぅ…」

「何でしょうか?」

「いいえ、何でもありません。どうもありがとうございました。それじゃ…。」

 球は目隠し中にされた行為を聞きたかった。あれは治療だったのか?それとも…。

 でも、仮に聞いたとしても、当然治療だと答えるだろう。球は車井原に一礼をして、医院を後にした。宮田という看護婦に対しては一言も礼の言葉を述べなかった。

 球が去った後、看護婦は車井原を見てニヤリと笑った。

「先生、また悪い病気が出ましたね〜。最近、治まっていたのに。可愛い女の子が来ると、すぐにあんな悪さをするんだからぁ。いけない人ですね、全く。ところで、あの子、本当にヘルペスでしたの?」

「ヘルペス?いや、違よただの湿疹さ。」

「まあ、酷い先生!」

「まあまあ、そういうなよ。謝礼はちゃんとはずむから。」

「あら、嬉しいですね〜。」

 車井原は白い封筒を看護婦に手渡した。おそらく万札が何枚か入っているのであろう。

「ふふ、ありがとうございます。でも、先生とあの子のエッチシーンを見て、私も濡れて来ちゃった。ねえ、今夜、私を診察してくださらない?」

「残念だけどそれは無理だね。今夜は、来月学会で発表するレポートを仕上げないといけないんだ。」

「ふ〜ん、先生は私には冷たいですね。でもこれだけお給料をもらっているんだから、文句は言えないですね。さて、それじゃ次の患者さん、お呼びしますよ。


「うん、頼むよ。」

 球は帰り道、先程の治療のことを何度も思い浮かべていた。特に目隠しをされた後のあの治療を思い浮かべると、再び下着の中がじんわりと濡れてくるような気がした。

(次の診察は3日後だにゃん…)

 球は研二のいるクラブ部室に急ぎ足で向っていた。


 

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