【 面接 改 しょうた】
第七話
社長が言いながら、社長室のドアを閉じた。ドアを閉じられたということは、密室だ。密室の空間に男と女が二人きり。妙に意識してしまう。いや、今日は、会社には二人だけしかいないのだから、そんなことを思うことは可笑しいのかもしれない。それに、意識しているのはわたしだけ。社長は何事もないように、コーヒーメーカーでいれたコーヒーをカップに注いでいる。馬鹿みたいだけど、ドキドキしている。
「ん、どうしたんだい?」
「えっ、いぇ」
社長と目線が交わり、ドキッと心臓が脈打った。
「さぁ、お口に合うかどうかわからないけど」
社長が二つのコーヒーを用意してくれ、ひとつをわたしに差し出してくれた。わたしのカップにはコーヒーカップと受け皿にミルクと砂糖が添えられているが、社長は大きなマグカップだけで、砂糖、ミルクはいれていないようだ。
「コーヒーは嫌い?」
「いぇ、そんなことありません。そんなに詳しくないですけど、コーヒーは毎朝必ず飲んでいるんですよ」
「はは、僕と一緒だね」
「でも、わたしはインスタントがほとんどですけど」
「はは、僕もそうだよ……さぁ、飲んで」
コーヒーは嫌いではない、むしろ好きな方だ。社長にも言ったとおり詳しくはないけど、最初の一口だけは、ブラックで飲むことにしている。その方が豆本来の味が楽しめる。とはいっても、二杯目からはミルクだけはいれるのだけど。
いつものように、コーヒーを一口飲んだ。
「美味しいです。やっぱり、本物は違いますね。いつも社長は御自分でお入れになるんですか」
「うん、そうだよ。うちはお茶くみといたものがないから、喉が渇いたときは其々が自分で用意するんだよ。あっ、そうそう、ドリンクのある場所、後で教えるね」
「はい、お願いします」
「ところで、コーヒーの歴史は知っているかい?」
「いえ、わかりません」
「聞きたい?」
「ええ、せびお願いします」
社長がコーヒーのうんちくを語りだした。身振り手振りを交えて熱心に話す社長にうっとりとしてしまう。やはり、恋をしてしまったのか?ダメ!まだ相手のことを知らないし、なによりも、会社のトップである。いっかいの平社員、いえ、見習社員がそんな思いを持ってはいけない。
それに、まだわからないが、年齢からして、きっと、社長は家庭を持っているだろう。結婚指輪を嵌めていなけど、そういう男性もたくさんいることは前の職場から知っている。
ダメッ、ダメだよッ、立場を考え……な……えっ、なんだか、だるく……。急に身体から力が抜けていくような感覚が襲ってきた。背中がソファに沈み込んでい
くのがわかる。このままではソファから落ちていきそうだ。手で身体を支えなければ、と脳が命令するが、身体が動いてくれない。
眠い、瞼が重たくなってきた。しゃ、ちょう、わらって……。
第八話
さ、寒い……。 寒さを感じ、目をあけた。こ、ここは?瞳の先には、見慣れない部屋が映っている。
「やっと、お目覚めになったようだね、菜々美ちゃん」
聞き覚えのある優しい声の方向に瞳を向けた。上半身裸の裸の男性がいる。し、しゃちょうだ。 ここは社長室だ……そうだ、コーヒーを飲んで、とつぜん眠くなって、それから……思い出せない。頭が朦朧としている。
どうして社長は服を脱いでいるの?えっ、わたしも裸じゃない、えっ、えっ、どうして。脳が活性し、思考が急速に戻ってくる。リクライングソファの上で両手足を拘束されている。括られた両手首は後頭部にあり、脚は片方ずつリクライングソファの肘掛部分に乗っけられている。電気のついた明るい部屋で大切なところを露わにした恥ずかしい格好をしている。
え、うそっ、や、やだぁ。あられもない姿にされていることに、せっかく戻ったと思考に混乱が起きた。白昼の会社で、こんなことあるわけがない。夢? 違う! パニックと恥ずかしさで火照った身体に、エアコンの風を感じる。こんなリアルな夢はない。笑顔の仮面をかぶった男が、寝ているわたしを裸にして、ソファに括りつけたのだ。
社長がデスクから立ち上がった。
ひゃっっ!
デスクに隠れてわからなかったけど、社長は下半身も裸になっていた。そそり立つ、ペニスは今まで見たことがないほど大きくて黒い。血管を浮き上がらせ、はちきれそうなほどに膨らんだ大きなペニスが向かってくる。見ないようにと思うけど、雌の本能がそうさせるのか、巨大な塊へ目線が向かってしまう。
ダッ、ダメッ、こ、こないでっ!
必死に声をあげようとしたが、言葉にならない。起き上がろうしたが、力がはいらない。
「なかなか目覚めないから心配したよ。でも、そのお陰でじっくりと菜々美ちゃんのおま○こを観察させてもらったけどね」
お、おま○こって、なに、何を言っているの……。社長の顔を見た。笑顔を浮かべてはいるが、その笑顔は意識を失う前のものではない、男のいやらしさを感じさせるスケベな頬笑みだ。
「どうした、そんな怯えた顔をして。何も怖がることはないんだよ。これは、僕と菜々美ちゃんとの信頼を深める儀式のようなものだ。社長と社員、深く結びついた方がいい。そうすれば、互いを理解することができて、裏切りはない。だから、安心して僕に全てを任せなさい。気持ちよくさせてあげるから」
笑顔の仮面が剥ぎながらにやりと笑う社長に背筋が凍りそうだ。儀式? このひとおかしい。この危険な状況に、飛び上ろうと試みたけど、拘束具が邪魔をする。
「はははっ、どんなに足掻いたって無駄だよ、菜々美ちゃん。君が目覚めるまでずっと我慢してんだ。寝ているうちにセックスされるよりも、起きているときの方が君もいいだろう? 喜びなさい」
社長がいきなり乳房を握ってきた。
あぁっ、いやぁっ。
甘い囁きも接吻もなく、乳房を弄られるなんていやだ。やっぱりセックスには順序がある。精神的なものからはいり、口づけをして、耳たぶ、首筋をなめられ、そこから乳房にいく。そうして、オンナの快楽が増幅していくのだ。
高校二年の時の初体験から今まで、三人の男性とセックスしてきたが、みんな、順序よく心と肉体を高めていってくれた。
あぁ、でもぉ……。
女の気持ちを考えることなくセックスのセオリーを無視して身体の自由を奪われ強引に弄られているのに、乳房とともに揉みこまれている乳首の刺激に感じてしまう。
「おおっ、すごくいやらしい乳首だ。もうこんなにコリコリになっている」
「あっ、ゃぁ」
「お、喋れるようになったか。やっばり、待ったかいがあったよ。何も反応がないよりも、反応してくれた方がセックスは楽しいからな」
「こ、これは、どっ、どういうことですか」
「どういうこと? 最初にいっただろう。僕は君が気に入ったってね。男が女を気に入ったということは、こういうことなんだよ」
「そんな勝手です」
「ふふ、そんなこと言って、なんだい、このいやらしい下着は?」
社長が、センターテーブルにおかれていたおろしたての純白のショーツを手にとった。
「どうして、会社に、仕事に来るのに、こんなティーバックのいやらしいパンティを穿く必要があるんだい?」
社長の言葉に返事が出来ない。社長の言うことはもっともだ。会社に来るのに、こんなショーツを身につけてくる必要はない。いつもの下着でいいはずだった。だけど、つい色気を出してしまった。九割はありえないと思っていたけど、もしかしたら、社長に誘われるかもしれないと。もちろん、そう簡単に身体を開くほど、わたしは遊び人じゃない。あくまでも、そういう雰囲気にさせてくれたらである。
「どうしたんだ? 黙っていたらわからないぞ」
「ち、ちがう」
「なにが違うんだ……僕とセックスしたいと思ったから、こんないやらしいパンティを穿いてきた。だから、否定できないんだろう? 違うかい?」
何も言い返すことができない。だけど、こんなやり方はいやだ。
「いやっ、こんなのはいやです」
「こんなのはいや? て、ことは認めたんだな。だけど、菜々美ちゃん、僕はこういうのが好きなんだよ。特に君のようなかわいい娘にはね」
いやらしい笑みを浮かべた社長がむき出しの乳首に吸いついてきた。
「あっ、い、いやぁっ……お、お願い。止めて……ください」
「ははっ、そう思うのも今だけだよ。そのうち、僕のチンポが欲しくて欲しくてたまらなくなってくるから」
つづく