【 由美と美弥子 Mikiko 】

第百八十五話
指先で性器を開いたまま、美弥子はゆっくりと腰を回し始めた。大柄な美弥子のグラインドには迫力があった。由美を見下ろすように見つめながら、腰を回し、突き出し、性器を見せつける。
由美は、座り込みそうになるのを必死に堪え、自分も指先で性器を開いた。
見下ろすと、白い無毛の下腹に、薄紅色の小さな唇が咲いていた。美弥子を真似て腰を振る。指先が抑えきれずに動いた。美弥子に見せつけると言うよりも、それはすでにオナニーだった。半開きの口から、絶え間なく声が零れる。
「あぁぁ……あぁぁ……」
美弥子の目をじっと見上げ、由美は腰の動きを激しくしていった。口元から咽喉へ、涎が伝うのが判った。
漆黒のフロアに対峙する二つの肉体。やがてそのひとつが、フローリングに崩れ落ちた。
美弥子だった。
由美が幼い尻を懸命に振り立て始めると、必ず美弥子は起っていられなくなった。フローリングに尻が落ち、支えのない上体がそのまま後ろに転がる。由美は美弥子の足元まで歩み寄ると、美弥子を見下ろした。
「美弥ちゃん、今日も由美の勝ちね」
「あぁ……、由美ちゃん。もうダメ。もうダメだから……。どうにか……。美弥子をどうにかして」
「どうにかって、どうしてほしいの?」
「苛めて。美弥子を苛めて!」
由美は、美弥子の足元に身を沈めた。持ち重りのする両脚を割り広げ、自らの細い腰を挟み込む。
こうして夜ごと美弥子との饗宴を重ねるに連れ、2人の関係が、由美の想像していた展開から外れることが多くなっていた。
美弥子との関係を持つ前の由美は、夜ごとのオナニーに際し、美弥子に責められるシーンばかりを想像していた。
美弥子に組み敷かれ、鼻血が吹き出るほど頬を張られる場面。美弥子の膝に俯せに押さえつけられ、大便を漏らすまで尻を叩かれる場面。
いずれの想像も、由美を狂おしい興奮の渦に引きずり込んだ。両脚を高々と上げ、陰核を思うさま揉み潰しながら、激しい絶頂の波を貪った。
初めて美弥子の豊かな胸に抱かれたときは、あの夢が現実になるという思いで、身の置き場がないほどの昂まりを覚えた。美弥子は、由美の願いどおり組み敷いてくれた。最初のころは……。
第百八十六話
しかしある夜、ベッドでの絡みの中で、美弥子が身体を反転させたのだ。それまで下になっていた由美は、美弥子の腹の上に抱え上げられた。
初めて見下ろす美弥子だった。細長い鼻孔が、ヒクヒクと伸縮しているのが見えた。瞼が薄紅色に染まり、明らかに美弥子は興奮してい
た。
それまで、ずっと美弥子のなすがままになっていた由美だった。初めて上になって、どうしていいのか判らなかった。そんな由美の手を、美弥子は自らの手首に導いた。
掴むように促す。美弥子は身振りで、もう一方の手も掴ませた。美弥子は、掴まれた腕を自ら引くようにして、ベッドに仰のいた。由美は、両手で美弥子の手首を掴み、ベッドに押さえつける姿勢を取らされた。
その瞬間から、美弥子はたちまち呼吸を速めた。小さな悲鳴に似た息が、蒸気のように噴き上がった。美弥子が、激しい昂まりを覚えているのは明らかだった。
このとき、由美は初めて気づいた。美弥子が、思いがけぬ被虐性を秘めていたことに。
ほんとうは、美弥子も苛められたかったのだ。それを抑えて、今まで自分の思いどおりに振る舞ってくれていた。由美にはそれが嬉しかった。美弥子が愛しかった。
その時、由美の胸に小さな炎が灯った。
『美弥ちゃん。苛められたいんなら……。苛めてあげる……。由美が』
以来2人は、苛む役と苛まれる役とに、時々で交替するようになった。場面ごとに、あるいはシチュエーションごとに、2人は阿吽の呼吸で役柄を入れ替えた。
この夜のようなストリップティーズからの展開では、由美が責め役に回ることが多かった。
そして、今宵も……。
つづく
「由美と美弥子」 Mikkiko作は Mikiko'Room でも紹介されております。
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