【 由美と美弥子 Mikiko 】

第六十五話
一瞬にして絶頂の波に浚われた。腰から下が、持って行かれた。視界が回る。最後に、自分の頭が床を打つ音を聞いた。世界が暗転した。
女教師は、ベッドの上で目を覚ました。しばらくは、なぜ自分がこのベッドに寝ているのか判らなかった。
窓の外は夕闇に沈み始めている。ようやく記憶が戻ってきた。女教師は上体を跳ね起こした。
自分は床に転がったはずだ。ベッドに寝ていたのは女生徒だ。なぜ自分がそこに寝ているのか。
布団を捲ってみる。下半身は剥き出しのままだった。尻の脇に、スカートが畳んで置いてあった。自分で畳んだはずが無かった。胃の腑を、冷たい手で掴まれた気がした。
ひょっとして、あの女生徒が誰かを呼びに行った?そして自分は、訴えを聞いた人の手で、このベッドに担ぎ上げられたのか……。
だとすれば、あの女生徒にしたことを、すべて知られてしまったことになる。それだけではない。
見られているはずだ。剃り上げた性器を。もうすぐ、断罪者がこの部屋に戻って来る。変態教師という烙印を押しに。
身体が震え出した。逃げなくては……。ベッドを降りようと突いた手の平に、シーツでは無い何かが纏わった。
それは、ノートのページを折り畳んだ紙だった。ここに自分の罪名が記されているのか。女教師は、震える手でその紙を開いた。そこには、こう書かれてあった。
「先生のあそこって、赤ちゃんみたいで、とってもかわいい。またあした、来てもいいですか?」
「かわいい」の後には、ハートマークが付けられていた。その紙をじっと見つめていた女教師の肩が、小刻みに揺れ始めた。
唇を割って笑い声が零れた。やがてそれは哄笑となって噴き上げた。思い詰めていた自分が可笑しかった。何も按ずることは無かった。自分をベッドに抱え上げてくれたのは、あの女生徒だったのだ。
脅迫写真など撮る必要もなかった。窓の外は、深い紺色に染まりつつあった。しかし女教師には、その空が夜明けの色に見えた。女教師はゆっくりと仰向けになると、ブラウスを捲り、再び陰核を捏ね回し始めた。
第六十六話
「あぁ……」
堪えようとしても、唇を割って声が漏れた。美弥子は今日も地獄にいた。
リノリウムの床に横たわっていた。全裸だった。右半身を床に付け、左腕を大きく上げている。無論、自ら上げているのではない。左腕の付け根、腋の下には女教師が吸い付いていた。
女教師は、美弥子の上に載っていた。全裸だった。女教師の華奢な身体は、子供が戯れているようにも見えた。
しかしその小さな身体は、美弥子の腋の下を舐めながら、美弥子の脚で自らの陰唇を擦っていたのだ。
女教師は尻を、ゆっくりと前後に動かした。蛭のように吸い付いた陰唇が、美弥子の脚をヌルヌルと滑った。
蛭は、自らの肉を溶かす熱い粘液に塗れていた。粘液は、美弥子の脚に無数の筋を印し、その上を幾度も同じ筋がなぞった。
初めての頃とは違い、このごろの女教師は、性急な絶頂を求めようとはしなかった。その過程を楽しむかのように、美弥子を嬲り続けた。この日は、とりわけそうだった。
「ゆっくりと楽しもうじゃないか。今日は日が長いんだから」
土曜日だった。この私立高校では、月に二回、土曜日の午前中に授業があった。終業後、昼食も摂らずに美弥子は保健室にいた。
女教師が、自分の顔を覗きこむのが判った。懸命に堪えようとするが、眉根の歪みを抑えることが出来ない。どうしても口が開いた。
「あ、あぁ……」
また、声が漏れた。さっきから女教師の片手が、美弥子の陰核を捉えているのだ。
「どうしたんだい、美弥子。また、イキそうかい?」
美弥子は、歯を食いしばった。無様な姿を、幾度となく曝す自分に耐えられなかった。
「素直じゃないねえ。そしたら、これはどうだい?」
女教師の指が、包皮を剥き上げるのが判った。その指先が束ねられ、美弥子の細長い陰核が摘まれた。
「あっ。それは、やめ……」
つづく